災害時!大事な愛犬を守る為に

災害時にどうする?大事な愛犬を守る為に準備を!

もしもの時、あなたは落ち着いて行動出来ますか?

昨今、各地で震災などの大きな災害被害が発生しています。

決して他人事ではありません。

あなたは、震災にあった時の備えは出来ていますか?

大事な家族である愛犬・愛猫を守る為に心構えと備えをしましょう。

過去震災の惨状

東日本大震災から数年が経った今でも、飼い主さんと離れ離れのペット達が多くいるそうです。
冬は寒く、夏は暑いという過酷な環境で過ごさなければいけないという状況も。

想像を絶する過酷な状況でした。

熊本市では、震災時、ある動物病院が3、4階部分を被災地唯一のペット同行避難所として開放していました。
これまで約230人が犬や猫など計約300匹を連れて訪れ、現在も約80人が約100匹と
避難生活を送っているそうです。
熊本県の犬の登録数は約11万2000匹(平成24年度)。人口100人当たり6・19匹と、
九州地方で最も多く、熊本市動物愛護センターは、26年に初めて殺処分ゼロを実現した“動物愛護の街”
でもあります。
しかし、熊本では、避難所へ入れず車中泊を続け、犬が熱中症になるケースもあったといいます。

東日本大震災の際にも、聞くに堪えないケースが多々あります。

こんな惨状を限りなく軽減するのは、日頃の備えと飼い主さんの愛犬へのしつけが不可欠です。

東日本大震災の際に、某会社がアンケートをとったものです。
(震度4以上揺れた1203名の回答)

  回答数 割合  
1.ペットの不安が強く、安心させることが難しかった 228 19%  
2.水が手に入りにくかった 175 16%  
3.フードが手に入りにくかった 173 14%  

その他には下記の声などもありました。
トレイシーツが手に入りにくかった 77 6%
猫用トイレ砂が手に入りにくかった69 6%
キャリーやクレートに慣れていないので、安全確保や移動時に苦労した25 2%
動物病院に連れて行くことが出来なかった24 2%


『ペットの不安感が強かった』という意見が、水やフードなどの物質的な入手困難を差し置いて、
最も多くなりました。

震災時の備えとしては、水やフードなどの物質的な準備が先行しがちですが、非常時にも飼い主といれば安心できたり、キャリーの中なら安心できる、といった普段からのしつけや信頼関係を築いておくことも、重要なことだとわかります。
またその他の意見では、『犬や猫の体調が悪化した』、『とにかく怯えてしまう』、『放射性物質の心配があり、飲み水の確保が難しい』などの声があったそうです。
水に関しては、放射性物質の心配の他にも、人用のミネラルウォーターではミネラルが多すぎるので
(結石の原因になると言われています)、ペット用の水の確保が難しかった、というご意見も多数いただきました。
備えあれば・・・ということでしょう。

【迷子対策】
避難の際には、首輪(ハーネス)とリードを装着し、愛犬の個体認識のために、鑑札や狂犬病予防注射票、飼い主さんの連絡先を記した迷子札をつけておくのもよいでしょう。
あわせて動物病院で愛犬にマイクロチップ(個体認識できる電子標識器具)を装着するのも必要でしょう。
そうすることで、もしもの際には、早々に飼い主さんの元に帰る事が可能になります。
※東日本大震災では、食事がとれず、放浪中に痩せたせいで、また、津波にのまれて、などで、首輪が外れてしまう場合もあります。その為、マイクロチップとの併用が有効です。

【避難方法の確認】
自宅の最寄りの避難場所と、ペットの受け入れについて居住地域の自治体に確認しておきましょう。
避難所までの道順や、避難所が満員の場合は次はどこへ逃げるかなど、家族で決めておきましょう。
小型犬なら犬用カートに荷物と共に一緒に載せるなど、移動方法を決めておきましょう。
東日本大震災では、道路自体が分断され、通行止めになったケースも。
避難ルートは複数考えておき、建物の倒壊の危険性も考えて広めの道を選ぶなど、
事前に調査をしておくとよいでしょう。

【生活環境の見直し】
室内飼いの場合は、ハウスは四方が囲まれたハードタイプのハウス(クレート)にし、サークルを設置している場合は、屋根をつけましょう(性質的にわんこは四方囲まれている狭い所が安心なので)。
また、物が落ちてこない場所におき、まわりの家具は倒れたり動かないように固定をします。
外飼いの場合は、ブロック塀の横やガラス窓の直下は避け、リードは犬自ら危険を避けて動けるようにある程度長めにしておきましょう。また水害の恐れのある地域では、増水した場合の事を想定しておく事も考えましょう。


【去勢・避妊】
2011年の東日本大震災で被災したかたがたの飼い犬(飼い猫)をシェルターで保護している現場でのトラブルのひとつに、未去勢のオス同士のケンカがあったそうです。
どんな状況になるか分からない災害時、去勢避妊は処置しておくことをおすすめします。
将来的な病気の予防にも繋がります。

【ワクチン・寄生虫予防】
同行避難した避難所では多くの動物が集まり、他の動物と一緒に過ごすことになるかもしれません。
また、慣れない環境で過ごすストレスから体調を崩すこともあります。
感染症の蔓延を防ぎ、ペットの健康を守るためにも日ごろからの健康管理が重要です。体を清潔に保ち、狂犬病予防注射(犬)や混合ワクチンのほか、ノミ・ダニなどの外部寄生虫の予防をしましょう。


■しつけは不可欠■
犬がいるというだけで、避難所に入れないケースも過去の震災で多々あります。
それでも、最低限のしつけとマナーで、愛犬と共に避難所に入れるケースもあります。それが出来る事で、あなたと愛犬のストレスも随分軽減される事に繋がる事もあります。
その為にも以下のしつけが出来るようにトレーニングをしましょう。

【災害時に役立つしつけ】
・「マテ」「オイデ」
日ごろから「マテ」「オイデ」などのしつけをしっかり教えておきましょう。
災害後避難所で他の人に迷惑をかけないためだけでなく、愛犬を危険な場所から指示をして呼び戻すなど、
しつけで愛犬の命が助けられることもあります。
・ハウス
避難所では、ハウス(クレート、ケージ)の中に入れておく場合が多いので、ふだんからハウスに入る習慣を。
万一のとき、ハウスが愛犬の身を守り「落ち着ける場所」になる。
家族以外の人からおやつを与えてもらい、他人に慣れさせておくと、避難所でのストレスを軽減し、
保護先での他人のお世話を受け入れやすくなります。


・環境への適応
人間同様、犬は環境が変わったりすると大きなストレスを抱えます。
その為、ストレスでご飯を食べなかったり、吠えたりという状態になることも。
臆病な子ほど、見知らぬ人に吠えたり、噛んだりします。
そうなると、避難所での生活は困難になってしまいます。
他の動物や見知らぬ人、大きな音に驚かないようにするため、日ごろからいろいろな環境に慣れさせておきましょう。色々な人に触ってもらったり、色々な所にお出掛けをして様々な経験をさせてあげるとよいでしょう。
その他、必要なしつけについてはこちら↓もご参考下さい。
★☆★☆犬の飼い方★☆★☆ 
http://www.inu-pedia.com/kokoroe.html
犬の事何でも分かる!『犬ペデイア』


災害に備えて用意しておきたいもの一覧
【必ず持参したいもの】
①愛犬を運び出す道具(キャリーケース、リード。
多頭飼いの場合は、家族の中でどの犬を誰が担当するか決めておく)
②愛犬に持病があれば、薬や処方食
③最低1週間分のフードと水
④好物のおやつ(環境の変化で食欲がなくなったときのため)
⑤トイレシーツとちり紙
⑥4予備のリードと首輪
⑦クレート等の箱型ハウス(ゲージの場合は周りを遮断出来る布があるとよい)
⑧ポリ袋
⑨折りたたみ式フードボウル
⑩おやつ愛犬のプロフィールや特徴、性格、飼い主家族の情報、持病や薬などの情報を記した手帳やカードと、
愛犬単体と、愛犬と家族が一緒に写った写真(愛犬を預けたり、愛犬の行方を探すときにあると便利)
⑪もしものときに備えて、愛犬の情報をカード等にまとめておく。
※災害後自宅が立ち入り禁止になる場合も。
自家用車があれば、ガレージや車にもトイレシーツやケージ、フード類を備えておくと安心。


地震にあったときの対応
避難所には被災で心や体に大きな傷を負った方や、犬が苦手な方、動物アレルギーの方等さまざまな方がいるので、まわりの方への配慮が大切です。

【被災後の過ごし方】
避難所で過ごす場合は、周囲に配慮して、愛犬は可能ならクレートやケージ、犬用テントなどで過ごさせましょう。
車や自宅で過ごす場合でも、避難所にまめに出向くと支援物資や情報収集ができます。
車中避難は、人はエコノミークラス症候群、犬は熱中症に注意。
愛犬を保護施設などに預ける場合は、無理のない範囲で愛犬に会いに行き、
コミュニケーションを図ってストレスの軽減をしてあげましょう。
兎に角、人間と愛犬のストレスを最小限に出来るように、物資の備蓄と心の準備をしておく必要があるでしょう。
東日本大震災の避難所では、人は屋内、犬は屋外などすみ分けされる場合も多かった。
吠え癖などがある犬は避難所の隅につながざるを得ないこともあるので、
日ごろからしつけはしっかりとトレーニングしましょう。


【愛犬が迷子になったら】
危険な状況下で無理に探し回るのは危険。
まずは警察や保健所などに届け出をします。
持参した愛犬の写真でチラシを作り、避難所に貼らせてもらうのもよいでしょう。

ペットは同行して避難することが原則であり、環境省のガイドラインでも推奨されています。↓


東京23区の同行避難対応状況をご案内します。
23区内在住の方は参考にしてください。
※愛犬の同行避難等に関してのみになります。他の動物については別途ご確認ください。
※内容は調査日時点のものです。必ずご自身で直接自治体等にご確認ください。
■千代田区
避難所:同行避難可能
避難所内に「動物救護所」を設置し、ペットを保護・飼育することとしている。平成26年度にペット用ケージを各避難所に配備。(ケージ等の資材は避難時に持ち出せなかった飼い主のためであり、原則は飼い主自身で持参)広域避難場所:未定
まだ同行避難の仕組みは準備されていない。
■中央区
避難所:同行避難可能
同行避難を推奨する方針のもと、各避難所の運営者と調整中。
広域避難場所:同行避難可能
特段のルールは定めていない
■港区
避難所:各避難所の運営にゆだねている
詳細は居住地域の避難所運営組織に確認。
広域避難場所:同行避難可能
いつもいっしょにいたいから ペット動物の災害対策(港区)
■新宿区
避難所:同行避難可能
避難所内では人間と動物の飼育場所を完全に分離し、動物はケージに入れるか、リード等でつなぎ留め、人間の居住スペースに入らないよう管理。
避難所運営管理協議会内に、動物の飼い主を中心とした動物救護部を設置し、避難所内の動物の管理を自主的に行う。避難所内では自由にさせない。飼い主が用意したケージやリードで管理。
咬んだり、鳴き声があまりにうるさいなどの問題がある場合に退去を求める可能性あり。
広域避難場所:同行避難可能
いざという時に災害からペットを守るために(新宿区)
■文京区
避難所:同行避難可能
飼育場所等の細かいルールは避難所毎に策定。
原則、避難所に設置される受付を通して、飼い主と同じように愛犬の情報登録が必要。
ペットの飼育及び飼育場所の清掃は、飼い主が全責任を負って行う。
広域避難場所:未定
飼い主にケージ等の携帯をお願い。
■台東区
避難所:同行避難可能
同行避難を原則としているが、最終的には居住地域の避難所運営組織にて決定。
5日分のエサと水、首輪・鑑札等、リード・ハーネス・ケージ等の準備をお願い。
広域避難場所:同行避難可能
災害時の動物避難(台東区)
■墨田区
避難所:同行避難可能
同行避難を原則としているが、避難所によって、ペットの可否、受け入れ方に違いがあるので、避難所の運営組織に事前確認要。
最低3日分のエサと水、ケージ・首輪・リードの準備をお願い。
広域避難場所:同行避難可能
特段のルールは定めていない。
ペットも防災対策を(墨田区)
■江東区
避難所:同行避難可能
同行避難を推奨。
日頃から避難所生活を想定したしつけの徹底、身元表示、食糧、水およびケージなどの備蓄をお願い。
広域避難場所:同行避難可能
■品川区
避難所:同行避難可能
避難所の状況に応じて動物の飼育場所を確保。
ペットは好きな方、苦手な方、多種多様な考え方があるので、各避難所の連絡会議で決められたルールに従うこと。ペットフードの備蓄やしつけなどの準備をお願い。
広域避難場所:同行避難可能
様々な避難者がいるので、他避難者に配慮すること。
■目黒区
避難所:同行避難可能
フードやケージなどのペット用品の携行をお願い。
各避難所運営協議会にて具体的な飼育場所や飼育方法は決定。
広域避難場所:同行避難可能
■大田区
避難所:同行避難可能
以下の順に検討して欲しい。
1.ペットにとって自宅が安全な状態であれば、在宅飼養を継続。
2.ペットを親戚や友人宅等に避難させることが可能なら、一時預かりによる飼養を推奨
3.上記1,2の対応が難しい場合には、避難所にペットを伴って避難。
避難所における飼育管理はペットを連れてきた飼い主同士で協力して行う。フードやケージ等は飼い主が準備。広域避難場所:未定
緊急時は相当の混乱、動揺が予想されるので、飼い主はそれに備えた準備と責任を持って行動して欲しい。ペットのための災害対策(大田区)
■世田谷区
避難所:同行避難可能
人とペットの生活スペースを分け、ペットは屋外。
ケージや食料は予め飼い主が用意し、避難所における世話は、飼い主がグループ等をつくって行う。
広域避難場所:同行避難可能
災害時にペットを守るために(世田谷区)
■渋谷区
避難所:同行避難可能
各避難所での飼育場所など詳細は未定で、今後各避難所の運営委員会にて検討。
飼い主には、平時からの狂犬病予防接種、ケージ、フードの用意をお願い。
広域避難場所:未定
■中野区
避難所:同行避難可能
避難所の校庭等の一部に飼育スペースを確保。
広域避難場所:同行避難可能
■杉並区
避難所:同行避難可能
ケージに入れるなどして同行避難すること。
各避難所でペット飼育場所を設ける予定だが、運営は各避難所で異なる。
広域避難場所:同行避難可能
■豊島区
避難所:同行避難可能
避難所には、動物に対するアレルギーを持つ人、嫌いな人もいるので、飼育や排泄などは避難所でルールを定める。ペットのフードや常備薬の確保、トイレの処理等は、飼い主の責任で行うこと。
広域避難場所:同行避難可能
具体的のルールは定めていない。
■北区
避難所:同行避難可能
全避難所とも同行避難は可能だが、避難所での詳細な飼育方法は各避難所運営委員会にて決定予定。
エサ、ケージ等、飼育に必要なものは飼い主のマナーとして用意をお願い。
広域避難場所:同行避難可能
■荒川区
避難所:同行避難可能
畜犬登録や狂犬病予防注射を毎年接種(病気等で接種できない場合を除く)している犬に限り受け入れ。
自宅や飼育小屋が無事で、引き続き飼育が可能な場合、一度ペットと同行避難した後で、二次災害などの危険性が無く安全が確保された場合に限り、住み慣れた自宅や飼育小屋に戻して、飼い主だけで避難。
皮膚病や感染症を発症しているなど、他の動物に感染する可能性がある場合の受け入れは原則お断り。広域避難場所:同行避難可能
具体的のルールは定めていない。
備えよう!大切なペットを守るための災害対策
■板橋区
避難所:同行避難可能
各避難所ごとにペットの生活スペースや飼育のルールについて定める。
飼い主とペットの生活スペースが別々になったり、ペットの生活スペースが屋外になる可能性もある。
広域避難場所:同行避難可能
ゲージやリードの使用、排泄物の処理に留意。
■練馬区
避難所:同行避難可能
避難者に危害を加える可能性のあるペットなどは、各避難拠点の判断で受け入れを拒む場合もある。
同行避難をした場合は必ず避難したペットの登録をし、飼育は飼い主の責任で行う。
避難拠点にはペット用の物資は備蓄していないので、飼い主の責任で準備。
広域避難場所:同行避難可能
区として定めたものはないが、屋外なので、同行避難は可能。
■足立区
避難所:同行避難可能
ケージ、キャリー、リード、エサなどは飼い主が持参すること。
飼育場所は人間の生活スペースと区分。獣医師会と連携し、各避難所にて飼育スペース等を検討中。
広域避難場所:同行避難可能
■葛飾区
避難所:同行避難可能
マイクロチップの埋め込みや鑑札の携帯、ケージ、5日分の食料・水の準備、
ケージに入る訓練などを日頃から行うこと。
広域避難場所:同行避難可能
考えましょう!ペットとの災害避難生活(葛飾区)
■江戸川区
避難所:同行避難可能
ケージ、キャリー、リード、フードなどは飼い主が持参。
飼育場所は屋外、飼育場所の清掃等は飼い主が行う。
上記を原則として、今後各避難所の運営協議会にて具体的対応を協議していく予定。
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/1_law/disaster.html
↑環境省のHPの中に、平成30年北海道胆振東部地震、東日本大震災・熊本地震等の被災ペット対応報告
災害時関連のパンフレット・報告書等ガイドライン・記録集災害時におけるペットの救護対策ガイドライン(平成25年6月)東日本大震災における被災動物対応記録集(平成25年6月)などの情報があります。
こちらもご参考下さい。